2015年04月

蔵王中央ロープウェイ

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基本情報
・キロ程    1,787m
・高低差    524m
・支柱数    2基
・輸送能力   750人/時か1,470人/時?
・速度     5m/s
・山麓     温泉駅  原動緊張かは不明
・原動機    380kw
・山頂     鳥兜駅  原動緊張かは不明
・索道メーカー 日本ケーブル
・搬器メーカー CWA
・搬器定員   101名
・竣工年    昭和47年
・方式     四線走行式普通索道
・事業者    蔵王温泉観光開発(株)
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許可年月日...1971年(S46年)9月14日
運輸開始年月日...1972年(S47年)1月8日

蔵王のロープウェイの中では最大のロープウェイである。
蔵王中森ゲレンデから中央ゲレンデを結んでいる。このルートがなければリフトの乗継を2回以上しなければ中央ゲレンデにはいくことができない。従って重要度が高い索道である。

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山麓駅の駅名は温泉駅である。その名の通り画像の駅左側に見えるのは「新左衛門の湯」という日帰り温泉があり、無料の足湯なんかもある。
トップ画像の右上のCRWのロゴは無論この中央ロープウェイのロゴであるが、全く普及はしていない。

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山頂駅の駅名は「鳥兜駅(とりかぶと)」である。由来は単純で駅が位置してる場所が鳥兜山山頂であるからである。
蔵王ではロープウェイを積極的に採用しているように思える。その理由を考えると、やはり地形上の問題となる。あまりにも急斜面が多くゴンドラには適さないと私は思うからである。
他日本初のゴンドラが1972年であり、それ以前にはロープウェイしかなかったということや団体客が多いというのも理由のひとつかもしれない。

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搬器の色は向かって右側が黄色、左側が白色である。
定員が101名と半端なのは車掌が一人乗るからである。従って実質の乗車人数は100人である。
大体の人が立ち乗り乗車で、座れるのは精々20人くらいである。

他に注目したい点は、山麓線は3線(1支索2曳索)だったのに対し、中央ロープウェイは4線(2支索2曳索)であることだ。理由は素人目にもわかるが乗車人数の違いが3線か4線かを決める。山麓線は53名だったのに対して中央ロープウェイは101名であり2倍近く重量があることと同じである。そのために4線(ロープ4本)になっている。
現在では、大型な搬器が必要な場合でも3線(2支索1曳索)が可能になった。

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支柱は2基しかないが、極めて大掛かりなものとなっている。
アーム部は日本ケーブルらしいWの上にーがあるタイプが5つセットで設置されている。端の2つは斜めになっており迫力がある。

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全面からの支柱(鉄塔)

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かつて使われていた乗車番号掲示板。現在では乗車券を発行するほど混雑することはまずない。

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山麓駅には古い索道仕様表があった。
※米…m(メートル) 耗…㎜(ミリメートル) ft…0.3048m(メートル) IN…25.4㎜(ミリメートル)
運転速度が5.0(7.0)m/sとなっているのはおそらく通常では5.0m/sだが7m/sでも運行可能という意味であろう。7分30秒で運行ということは計算すると約4m/sであり、減速なども考慮に入れると5m/sが最高速度になる。

輸送能力は仕様表を見る限り、1470人/時であるが現在では750人/時になった可能性があるとして不明にした。

フィラー形については山麓線をご参照ください。
支索に使われているロックドコイルというものは、丸線をより合わせたロープを心にし、その外周に異形線ロープ(表面が平滑)を緊密に噛み合わせてよったものである。



蔵王山において「噴火警報(火口周辺危険)」が現在出されています。蔵王スキー場内は避難勧告1.2㎞以内に入っていないそうですが、訪れる際には十分お気を付けください。


滑走可能コース

中央ゲレンデや上の台ゲレンデなどにスムーズに行くことができる。
おすすめは大平(おおひら)コースだ。これは蔵王には珍しくロングランが可能なコースである。中級者以上には物足りないが初級者にはしっかりとした練習場所になりそうである。
注意したいのは大平コース中腹ではスケーティングを強いられる点である。これを除けば素晴らしいコースなので是非とも滑走してほしい。




蔵王ロープウェイ山頂線

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基本情報
・キロ程    1,871.87m
・高低差    329m
・支柱数    6基
・輸送能力   夏:450人/h 冬:1,200人/h
・速度     5.0m/s
・搬器台数   16台
・山麓     樹氷高原駅(標高1,331m) 原動緊張か(不明)?
・原動機    500kw
・山頂     地蔵山頂駅(標高1,661m) 不明
・索道メーカー 日本ケーブル
・搬器メーカー CWA社
・搬器定員   18名
・建設年    2003年12月
・方式     複式単線自動循環式(フニテル式)DLM方式
・事業所    蔵王ロープウェイ(株)
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許可年月日...1963年(S38年)5月月21日
運輸開始年月日...1963年(S38年)12月7月
                     旧山頂線ロープウェイ時代?

蔵王温泉スキー場で最も新しい索道。
全国的にも普及しつつあるフニテル式を採用している。フニテル式とはフランス語のFuniculaire(鋼索鉄道)とTeleferique(架空索道)の造語で、2本のロープ幅(支曳索)がゴンドラ幅より広いロープウェイの愛称である(wiki参照)
なので日本には存在しないが、2本のロープ幅が搬器より狭いものはフニテル式とは、言わないので注意。

本索道は複式単線自動循環式であり、複線単線自動索道とは、搬器(ゴンドラ)を2本(2条)のロープ(支曳索)で支えている自動循環式(乗降時に減速するもの)である。
尚、複線単線自動循環式は下の2つの分類に分けられる。

●DMC(ダブルモノケーブル)
 2本のエンドレスロープを使うもの

●DLM(ダブルループモノケーブル)
 1本のエンドレスロープを使うもの

がある簡略に述べたが、DMCは2本のロープ(輪のロープ×2)を使っていて、DLMは1本(1つの輪)しか使ってないことである。
日本では比較的低コストなDLMのみ採用されている。

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本形式(複線単線自動循環式.フニテル式)は、現在に4基あり、できた順に
「箱根ロープウェイ.早雲山~大涌谷」
  ☟
「蔵王ロープウェイ山頂線」
  ☟
「谷川岳ロープウェイ」
  ☟
「箱根ロープウェイ.大涌谷~桃源台」

である。
すべてロープウェイ表記だがロープウェイではなくゴンドラのほうがあっている

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フニテルの利点としては、風に強いこと、全員座れるこのができる、360°のパノラマが一望できる等々
欠点として、高価であることと施設が大掛かりなことである。
私が個人的に改良してほしいところは窓部であり、スキー場の場合ボード・スキーをゴンドラ内に持ち込むので、傷がつき易く、傷が邪魔でせっかくの景色が見えにくくなってしまう点である。
これは乗客も少し気を遣えばいいのだがそれは限度がある。

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フニテルに架け替え前は、普通のロープウェイであった。以前ロープウェイ時代は混雑が激しく整理券が発行されていたらしいが現在ではスイスイと乗車できる。

旧ロープウェイと若干キロ程などが何故か違う箇所があるので、旧ロープウェイの情報をとまとめる。

〈基本情報〉
・キロ程    1,839m
・高低差    326m
・支柱数    3基?
・搬器台数   2台
・索道メーカー 大平索道?
・搬器メーカー 不明
・定員     56名
・建設年    1963年12月
・方式     複線走行式普通索道

手元にあるのは最新版の鉄道要覧ではないので、もしかしたら許可年月日などが変更されているかもしれない。

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車庫線は搬器台数が少ないので上下線の間にある。

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圧索機(ロープを掴む部分)は、普通のクワッドやゴンドラと同じものを2つ用いたもので大掛かりになっている。

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山頂と山麓のどちらにも索道仕様表示板が設置されていた。

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撮影日は貸し切り状態だったのでCWAの銘板などが撮影することができた。
タイプ…FUNITEL.3S.24PI
製造年…2003年
製造番号…28349
Com. …1628

ちょっと私にはわかりませんでした。。。

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地蔵山頂駅で降り、下の階のトイレに行く際に折り返し滑車が見られる。中々迫力があり樹氷見るがてら訪れるといいかもしれない。

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折り返し滑車が見れれるところにロープ標本があった
これまた見えにくいので抜き出してみる。

@支曳索
・ワイヤロープ  Φ48×3920m=2丸
・ジョイント   2か所(ロングスプライス)
・構造      6×P・WS(36)GSW/L S種
・強度      1700kw(173tf)
・製造会社    東京製綱

まずロングスプライスとはロープとロープを結び合わせる方法である。普通の人はまず結ぶことはできない。
索道の結び目は相当目を凝らさない限り見つけることは不可能だろう。

次に構造である
6…ストランド数
P…異形線ロープ
WS…ウォーリントンシール形
G…メッキあり
S…わかりません
W…わかりません
L…ラングより
S種…種別

ストランドとは素線(ロープを構成する元も基礎となる針金のようなもの)を組み合わせて作るロープ、普通ワイヤロープはストランドをより合わせて完成である。

異形線ロープとはストランドを異形加工をし、素線同士の接触を線接触から面接触に変化させる。面接触になっているので当然ストランド表面が平滑になっている。従ってロープを見ると綺麗に整っているように見える。

ウォーリントンシール形とはストランド形と同じく平行より(蔵王ロープウェイ山麓線山参照)の分類に入り、シール形とウォーリントン形を組み合わせたロープである。
シール形とは内外層の素線数が同数であり、内層素線の凹みに外層素線(内層素線より太い)が完全に収まっているタイプである。
ウォーリントン形とは外層素線には大小2種類あり(交互に配置)、外層素線数は内層素線数の2倍であり、内外層の組み合わせによって隙間を少なくしているロープである。

ラングよりとは簡略化していうと、ロープを縦方向に見た際にストランド内の素線が横目に見えるタイプである。

種別とは破断荷重によって分けられるもの。S種の意味ははちょっとわかりません。

他はわかる方はコメントください(礼

滑走可能コース

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蔵王ロープウェイと言ったら樹氷でしょ!!
山頂からの樹氷も格別ですが、ザンゲ坂で滑走しながら見る樹氷は逸品です。

ちょっと歩く(スケーティング)することを除けば、ほかのスキー場では決して滑れることがないコースを滑れますので大変満足しますよ!









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